
インフレによって建築費はもちろん外構工事費も土地造成費も値上がりしています。
そんな中、土地から買って家を建てるとなれば数年前よりも最低でも500万円、場合によっては1000万円ほど予算が上がってしまいました。
なので、個人的には費用を大幅に浮かせるために実家に土地があるのならそこを活用することをオススメする場合があります。
ところが、この場合でも何もせずに(お金をかけずに)そのまま建てることが出来る土地もあればそうじゃない土地もあります。
古い家が建っている場合であれば解体工事が必要になるし、田んぼや畑に建てるのであれば造成工事が必要になるようになります。
そこで今回は、手続き的にも費用的にも若干ややこしい田んぼや畑などの「農地」に家を建てる場合についてお伝えしていきたいと思います。
実家が所有している農地に家を建てる場合
この場合、その土地が「市街化区域」なのか「市街化調整区域」なのかによって手続きやかかる時間が変わってきます。
「市街化区域」は基本的に宅地を推奨している地域なので簡単に宅地にすることが出来ます(事後報告の許可で大丈夫です)。
一方、「市街化調整区域」は基本的に農地を推奨している地域なので、市街化区域のように簡単に宅地にすることが出来ません(事前に届出をして許可をもらわないといけません)。
なので、まずはこの区域を確認していただきたいです。
次に「市街化調整区域」か、「市街化区域」でも「市街化調整区域」のどちらでもない地域だった場合「農業振興地域」に該当しているかどうかの確認をしてください。
仮に農業振興地域に該当しているとしたら、農地を宅地に変える「農地転用」という申請をする前に、農業振興地域から外してもらう「除外申請」をしないといけないのですが、そのタイミングが年に2回しかないからです。
なので農地に家を建てようと思ったらここまでのことをご家族に確認してみてください。
市街化区域の場合は農業振興地域であることもないし、農地転用は1ヶ月もあれば出来るのですが、市街化調整区域やそれ以外の地域の場合は農地転用に2ヶ月ほどかかる上に、農業振興地域にかかっている場合、申請のタイミングが年に2回しかないため早くても8ヶ月、タイミングが悪い場合、1年以上も農地転用が終わるまで時間がかかってしまうかもしれませんからね。
要は、地域によって家を建て始めるまでの時間がかなり違ってくるというわけですね。
農地を宅地にする費用
続いて費用についてですが、農地を宅地にする場合、以下の費用がかかってきます。
- 農地転用費用
- 開発許可費用(必要な場合)
- 測量分筆費用(農地の一部を宅地にする場合)
- 境界擁壁工事(田んぼや隣地との境の壁)
- 水道引き込み工事
- 水道加入金(市役所に払うお金)
- 排水負担金(農業用水路に排水をするため)
- 土工事(土のすきとりと追い足し)
もちろん、これらは土地の状況によって違ってくるので一概には言えないのですが、単純な目安としては「宅地にする坪数×5万円」くらいは最低でも予算に組み込んでくといいのでは?といつもお伝えさせていただいています。
宅地にする広さを60坪にするのなら最低でも300万円ぐらい、宅地にする広さを70坪にするのなら最低でも350万円ぐらい、という感じですね。
(ここから大幅に予算が狂うとしたら水道が前面道路に通ってない場合です。だとしたら+100万円は必要かもしれません)
思っていたよりも安かったでしょうか?
あるいは、逆に高かったでしょうか?
いずれにせよ、こちら方が土地を買うよりも断然予算が抑えられそうなのだとしたら、この選択肢を現実的に考えていただいてもいいんじゃないかと思っている次第です。
もっとも、安いからといって土地面積を広げ過ぎると、外構工事に余分なコストがかかるし、今後払い続けることになる固定資産税も高くなってしまうので、面積の加減をよく考えないといけないんですけどね。
というわけで、ざっくりとした説明ですが家づくりをする上でこの選択肢も考えられるとしたら今回の記事を参考にしてみてください。
それでは