シンプルノート 金沢北スタジオ

北向きの土地の活かし方

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土地選びにおいては東西南北のうちで「北」という方角は最も敬遠される土地ですが、一方で建築業界では形状によっては「最悪」にもなれば「最高」にもなるとも言われています。

奥行きが浅い場合、つまり南北の距離が短い場合だとただただ日当たりが悪くなってしまうだけですが、奥行きが深い場合だと日当たりに問題が生じにくい上、プライバシーが担保された庭をつくることが出来るし、室内のプライバシーも庭同様に担保されるからです。

つまり駐車場と庭が別々になると同時に、庭で遊ぶ子供たちが道路に飛び出す心配がないため、安心して庭で遊ばせることが出来るということ。

そして、人目を気にすることなく家の中で生活しやすくなるし、庭でも遊びやすくなるし、外に干した洗濯物も人から見られにくくなるというわけですね。

そういった点で北向きの土地に関しては、一概に良し悪しを語ることが出来ないのですが、ただ一つ奥行きが浅い場合でも、あるいは深い場合でも「北向きの土地ならではの問題」というものが実は存在します。

北向きの土地の問題

その問題は「外観が美しくなりにくい」ということです。

日当たりを優先すれば部屋が南に配置されるため、階段や水回りスペースなどが自ずと家の正面となる「北」に配置されることになるからです。

つまり、高さ・サイズ・形状がバラバラの窓が家の正面に並ぶことになり、これが美しさを損なう原因となるし、それに加えて換気扇も北に設置せざるを得なくなり、これらが家を汚していく原因となるからというわけですね。

その上、便利だからと勝手口ドアまで家の正面につけようものなら、ただただ生活感の塊を周りに披露することになりますしね。

以上の理由から、北向きの土地は外観の美しさを整えるのが難しいという問題が発生しやすいというわけですね。

美しさを整える工夫

この問題を解決するためには「南にリビング、北に水回り」というなんとなく家の基本となっているこの固定概念を頭の中からリセットしなければいけません。

極端に言えば「北にリビング、南に水回り」でも全然良いんじゃないかと思えるようにするということですね。

例えば、北の筋にリビングをつくり、真ん中の筋に中庭をつくり、南の筋に部屋や水回りをつくると仮定します。

この場合、南に建つ隣の家から充分な距離を開けたところにリビングをつくることが出来ると同時に、リビングの窓を南向きでつくることが出来るため、直射光がほぼ邪魔をされることなく入ってくるのは間違いありません。

また、南だけじゃなく東や西に建つ建物からも充分な距離を開けた場所に中庭の東や西の窓をつくることが出来るので、1日を通して採光に苦しむことはまずないと思います。

その上プライバシーが担保された中庭の窓はカーテンをつける必要もありませんしね。

これが出来れば外観は一気に美しくなります。

リビングの採光を道路面に設置する窓に頼る必要がなくなるし、水回りや部屋が正面(北)ではなく隣の家が建つ東・西・南に配置されることになり、換気扇やエアコンなどが全て隠せるようになるからです。

「中庭」からの採光があれば、部屋や水回りへも直射光はもちろん反射光や天空光なども入ってくるため、思っている以上に明るくなります。

というわけで今回は、北向きの土地で奥行きの深さに関係なく採光と美しい外観を担保する方法についてお伝えさせていただきました。

それでは

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