採光の手段を外周面だけに限定すると、家のコストは下がりやすいものの逆に土地のコストと外構のコストが上がりやすくなります。
土地のコストが上がる理由は充分な採光を確保するために隣に建つ家から適度な距離が必要となり、その分広めに土地を買わないといけなくなるからです。
そして外構が高くなる理由としては、土地が広くなる分施工面積が増えると同時に防犯性の強化のために塀や目隠しなどに余分なコストを投じざるを得なくなるからです。
つまり、採光の手段を外周面だけに限定した家の建て方は家の施工面積が抑えられる分、家のコストは安くなるものの、その見返りとして土地代と外構代が高くつき、逆に家づくり全体のコストが高くつきやすいというわけですね。
また、外周面だけで採光を確保するという手段は外観が窓だらけになってしまうことから「外観を美しくつくりにくい」という副作用も出てきます。
結果、それを補うためにさらに外構工事に予算を注ぎ込むことになり更なる負担増を招きかねないという建てる前には気付きにくい落とし穴に直面しやすくなります。
というわけで、これから家を建てようとお考えの方には、もっと間取りづくりを柔軟に考えていただきたいと思っている次第です。
結果的に美しくなる外観
「中庭」をつくると家が高くなる。
この意見は事実であり実際に中庭をつくることによって施工面積が増えることから、家のコストは確実に高くなります。
しかし、一方で下がるコストがあることもまた一つの事実です。
例えば、土地のコスト。
土地のコストが下がる理由は、中庭から採光をとるという手段を取ることによって隣に建つ家を気にせず家を建てることが出来るからです。
つまり、敷地に無駄な余白をつくることなく家を建てることが出来るためその分土地面積を圧縮出来るから、また土地の日当たりを気にせず土地を買うことが出来るためその分土地の坪単価を抑えられるから、というわけですね。
そして、そうなれば必然的に外構工事の施工面積も少なくなるので、外構工事のコストも削減出来ます。
また、採光を家の真ん中から取ることが出来れば、家の外周面から採光を取る必要がなくなるため外周面には風を抜くための小窓しか必要なくなります。
この結果、プライバシーの担保のためや防犯性の担保のため、そして外観を美しくするために外構工事に余分なコストをかける必要がなくなることから、後から判明する外構工事の追加コストに頭を悩ますことも全くと言っていいほどなくなります。
つまり、家のコストは高くなってしまうものの土地と外構工事コストが下がるので結果的には、冒頭でお伝えしたような家とそう変わらないコストかあるいはよりコストを抑えながら家づくりをすることが出来るというわけですね。
同時に美しい外観を確実に手に入れながら。
いかがでしたか?
家づくりは全体コストで考えるべきなんだなということを知っていただけたのではないでしょうか。
そして、美しい家は合理的な家づくりをすることによって結果的に手に入れられるものであるという事実も知っていただけたのではないでしょうか。
と言うわけで、これから家を建てようとお考えの方は今回の内容を頭に入れた上で家づくりに望んでいただけたらと思います。
「知っているか知らないか」
たったこれだけでこれからの暮らしがきっと大きく変わりますから。
それでは